店に入ってきたのは、いつもの友だちと、明らかに周りから浮くぐらいの美人。
(くそぉ〜せっかくのチャンスなのにぃ〜)
(だいたい、誕生日の私が主役でしょ。)
(なんで、私より目立つ人、連れてくんのよ!)
「遅れてごめんね〜」
「あっ、みんなも知ってると思うけど、
ガッコの先輩だった人」
「そこで、ばったり逢ったから、
久しぶりにお茶でもぉ〜って、誘っちゃった」
みんなの視線は、釘付けだ。
私の友だちうちでは、チョー有名な人だ。
「読者モデルとか、やって有名ですよね!?」
「私、ファンなんですぅ〜」
「わぁ〜憧れるなぁ〜ほっそーい。」
みんなが、彼女に群がる。
確かに・・・・。
パッチリとふたえで透き通った茶色い瞳。
キレイな鼻すじに、口角があがった口元。
細い体から、スラリと長い脚。
完璧だ。完敗だ。
彼女を比較すると、完全に見劣りする私。
(でも、大丈夫。今日は、誕生日。
主役は私よね!?)
『あ・・・あの・・メ・・ア・・ド・・』
私だけのカメナシ君に話しかける。
ポカーーン。
口をだらしなくあけている、私のカメナシ君・・・。
目はハート状態。
(あぁ〜、未来の私のダーリンがぁ〜)
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