「まずは、よう耳の穴かっぽじって聞いて!」
「今日のじぶんのダイエットとかけて」
「ヒップホップダンスとかけますぅ〜」
「Hey!チョコラッチョ!」
「Yo!グルッと、回って、ダイエッYo!〜♪」
「バナナだけに、グルッとまわるとスベるよ〜♪」
「あぶないあぶない・・・」
少し間をおいて・・・
「そんなバナナ!」
きっぱりと歯切れのいい声で言い切る。
満足げだ・・・
(それは、今日食べたのが、チョコレートと
ヨーグルトとバナナだから?????)
(さむ・・・)
シーン
空気がぴんと澄みわたる。
長い沈黙。
どうだ!っと言わんばかりの自信の表れなのか?
『・・・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・』
「ノーリアクションかいなぁ!?」
「そうかぁ」
「わしの超一流のギャグでも、
笑われへんぐらい落ち込んでるんやね」
「かわいそうに・・・」
「最高峰のエンターテイメントでも、
失恋している乙女の気持ちまで癒せんか・・・」
(いやいや、あんたのギャクが寒すぎ)
顔をきつくひきつらせながら答えた。
『そういうことにしておきましょう』
「その言い方、ちょと気にさわるな〜」
「なんか、わしがスベッた見たいな空気ぃ〜」
「しかも、上から目線的な・・・」
「ありえん!」
(いやいや、あんたがスベッたんだって!!)
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