「その人には、小さい子供がおったんよ」
「小さい子やから、玄関でクツをばらばらに脱ぎよる」
「なんど、脱いだクツをそろぇ〜っていっても」
「いっこうに、クツをならべん」
「ほんでね。クツを脱ぎ散らかすたびに」
「何度も何度も根気づよく教えたんよ」
「でも、全然、効果あらへん」
「クツ脱いだら揃えんと一目散に家に入る」
「ほとほと、手をやいたんや」
「そこで、その先生、どうしたと思う?」
『さぁ・・・』
あまたをひねって考えてみた。
『何か、罰を決めたとか?』
「いいや。ちゃうねん」
「めっちゃ簡単なアルことをしてん」
「環境を変えてみたんよ!」
「それはね・・・・」
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