『もしもし♪』
「今日も声が弾んでるやん」
『あっ!わかりますぅ〜』
「うん。めちゃわかる」
「じぶんって、ほんまにわかりやすいね」
『それは、褒め言葉だと思っときます♪』
「今日は、何を言うても怒りそうにないね」
『世の中に、怒りという感情があること自体』
『今の私には、意味不明です!!』
「でたぁ〜!!ビックマウス!!」
二人して吹き出した。
ひとしきり冗談を言いあって、
笑った。
(そうか・・・今日で最後かぁ・・・)
そう思うと、
隠れていた寂しさが顔をだす。
「コホンっ!」
ビリケンさんの咳払い。
「ほな、今日でコーチングは最後や」
「ホンマは、まだまだ言い足りひんこともある」
「でも時間は限られとるからね・・・」
「最後のコーチングするで」
「しっかりと聞いておいてね」
『はい!わかりました』
これで、ビリケンさんの声を聞くのは最後。
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