ドスッ。
机に向かって、イスに腰掛けてみた。
『はぁ〜、痩せたい・・・』
ひじを机に置き、両手の手のひらに顔をのせてボーっとした視線。
(??ん、ん??)
棚に置いている こっけいな像が目に入った。
両足の裏を前に出して、座っている。
目は極めて細くて、にんまり笑顔。
思いっきりメタボなお腹の像だ。
『そうだ、思い出した。
大阪に旅行した時、お土産で買ったヤツだ』
『コミカルなデザインで、ちょーウケ!
なんて名前だったけな・・・』
大阪でのことを思い出しながら、考えていた。
『そういえば、この像って、足をさすって
願い事を言うと、叶うヤツなんだった!』
『ってことは、一応、神様!?』
『今日は、神様にひどい目に合わされたんだ!』
その奇妙な像を手に持った。
そして、神様のコメカミをぐりぐりとやりながら、
今日の恨みつらみを吐き出した。
『神様のおかげでぇ〜ひどい目にあった!
ひどすぎます!!』
文句と愚痴を一通り話しかけてみた。
像にうっぷん晴らしをしているうちに、
だんだんと、痩せてキレイになって、見返してやりたい気持ちになってきた。
『こうなったら、また神頼みだわ!』
さっきまで、嫌な出来事を神様のせいにしていたのに、
今後は、神頼み。
実に、自分勝手な・・・
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