ビリケンさんからだ!
驚きながら、電話に出る。
『も・・・し、もし・・・・』
「どうも、ビリケンです!」
いつもの声が、嬉しい。
『ゴメンナサイ・・・』
すぐに、謝った。
どうして、自分があんなことを言ってしまったのか?
心のうちを、全て打ち明けた。
「素直やん」
「でもわし、傷ついたで」
泣いて、目がはれて、細い目がよけい、細なったよ」
「でも、わし、神やし、ホトケゴコロあるし」
「許してもええけど・・・」
「なんか、じぶん、言葉の暴力、すごいやん。」
「こわいというか・・ある種の能力やね・・・」
「ヒステリックを超えた、独特の迫力があるで!」
「宮川花子的な迫力と言うべきか・・・」
『ゴメンナサイ!何でもしますから』
『・・・・仲直りできますか?』
『串かつ、2回でも3回でもおごりますから』
「ええのん??わし、けっこうたべるよ。
1回で20串は食べるよ。ビールも5杯は飲むよ」
『わかりました』
「ウゥウウゥゥゥ〜」
「イヤッホォィ〜!!!!」
電話を投げ捨てて、
奇声を発しながら小走りする音が聞こえる。
スタタタタ・・・
電話のほうに駆け寄る足音。
「ほんまにエエのん!」
「1回やなくて、3回???」
「ほんまにエエのん!」
鼻息を荒くして聞いてくるビリケンさんに
私は、間髪入れずに答えた。
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